道草道

大崎上島での移住の記録(2016年4月~):子育て・古民家改造・裏山開拓・造船所・たまにプログラミング

楽しい時間は、一瞬にして終わる。。。

先日、図書館で借りてきた、「愛なき世界」 

愛なき世界 (単行本)

愛なき世界 (単行本)

 

 400ページくらいある、ぶっとい本なので、読むのに結時間かかるかなぁ、と思いきや、三浦しおんワールドに引き込まれ、気がついたら読み終わってしまった。。。

 

植物の研究に恋する理系大学院生女学生、木村さんと、その木村さんに恋する定食屋のお兄ちゃん藤丸さんのお話。

恋愛のストーリーは三浦しおんさんらしく、さっぱりしてますが、研究者に対する描写がすごい。

 

ただ、単に普通に書けば面白くもなさそうな研究の描写をしているだけなのに、どんどん、引き込まれていく感が半端ないです。

 

学者でもない文系っぽそうな作者が、どうやったらあんな理系チックな思考を表現できるんだろう??と、不思議に思ったけど、謝辞に出てきた、研究室の一覧を見て、取材して頭の中をトレースしたのかと、作家のすごさを感じた。

 

研究室の描写が、あまりにリアルで、自分の大学もそんな人たち、いっぱいいたと妙に懐かしい感じ。

どっか、遠い世界に住んでいる人に、無理だと分かりながらも惹かれてしまう定食屋のお兄ちゃんの気持ちがよく分かる。

 

研究に没頭する女子と、その女子に恋して献身的に食べ物を提供する男子という、構図も面白い。