大崎上島日記 造船所から牡蠣の養殖業へ
突然ですが、半年間お世話になった造船所を辞めることにしました。
大崎上島に移住するにあたり、大変お世話になった造船所。
造船所の職がなければ、島への移住は決意できなかったし、本当に感謝しています。
辞めることに関して、特に何も語らないでいようかと思っていました。
ただ、僕が辞めることに対して、その人その人でいろいろな解釈をしてくれるようで、造船所でとても大変思いをして辞めざるを得なくなった思う人もいるようなので、ちょっと、書いておこうかと思います。
造船所は大変か?
以前、書いたことがありますが、造船所は楽とは言えない仕事です。
でも、僕は職人さんの仕事が好きで、
造船所での、鉄工さん、溶接屋さん、電気工事屋さん、大工さん
いろいろな職人さんと一緒に仕事をするのは、とても、楽しかった。
職人さんたちが、熟練の技ですごいスピートで作り上げていく様子は、本当に見ていて楽しかったです。
給与もそんなに悪くはなかったです。
この職場で自分が出来ること、やるべきことは沢山ありました。
じゃあ、なぜ?辞めるのか?
と、いうことですが、
確かに大変だったことは、否定できないと思います。
現場は人手不足で人を育てる余裕がない、そんな中で独学で学びながら仕事をするのは、まあまあ大変でした。
でも、以前いたソフトウェアの世界は、そんな感じが普通だったので、シンドいけど何年か頑張れば、なんとかなりそうな気もしていました。
工程の管理がうまく行っていなくて、工事が遅れ休みが削られる不満もありましたが、
自分が実力をつけて工程を管理できるところまでいけば、改善できる問題だったと思います。
この状況を不満に思っているのは自分で、現状を不満に思っていな人もいるわけで、
今の状況を変えることは絶対不可能ではないと思う反面、なかなか大変な作業だなぁとは、思っていました。
現状は普段作らない客船を作っていて、潜在的な問題が表面化しただけなので、得意の貨物船になれば、状況は自然と改善するだろうとも思ったりしました。
そんな、状況で少し疲れたなぁと、思っている時に、
ふと、自分は何がしたいんだろうか?
考えた時に、頭に浮かんだのが、大崎上島で牡蠣の養殖をしているファームスズキの景色でした。
水産業は、まったく経験がなかったので、島に移住する際に選択肢になかったのですが、いいところだなぁ、ここで働けたらいいなぁと、思っていのです。
それで、面識はなかったのですがファームスズキの社長に、
FaceBookで「人募集していませんか?」と聞いたところ、
「丁度、募集している」との返事で、
話を聞きに行き、とんとんと話が進みました。
好きなことをしないと、生き残れない時代
造船所の生活は、毎日、綺麗な海を眺めなら通勤しているだけで、結構、幸せだったし。
どこの職場にも不満の1つや2つはあると思うし、
大崎上島という好きな環境に住めるのなら、それでいいんじゃないかと思っていました。
「好きなことだけをしていてやっていけるほど、人生甘くない」
と、よく言われるように、何かを得るには何かを捨てる、そんなもんだろうと思っていました。
だた、本当にそれで今後やっていけるのか?という不安はありました。
以前の成長中の日本なら我慢して耐えるという選択肢は、ある程度正解だった気がしますが。
最近感じていることは、
「好きなことをしないと、生き残れない時代が始まっている」のではないかということ。
「好きなこと」=「自分の能力を最大に発揮できること」
自分の能力を最大限に発揮しなくても我慢していれば生きていける時代は終わってしまっているのではないかと、そんな気がしています。
牡蠣の養殖が好きなことなのか?
それは、やってみないとわからないのですが、なんとなく、それに近い気がしています。
この島に住んで分かったこと
とりあえず、自分は自然と共いることが幸せだということ。
山と海に囲まれた環境があって、生活に最低限必要なものがあれば、別にコンビニも繁華街も別に必要ない。
毎日、片道30分、往復1時間の自転車通勤も、みんなは、大変だと言ってくれるのですが、自分にとっては、まったく大変ではなかった。
綺麗な海を眺めなら、通勤するのが、とても、好きだった。
造船所は嫌いではなかった、でも、「好き」と「嫌いではない」には、大きな隔たりがある。
なんとなく、恋愛に似ている気がします。
本当に、ごめんなさいなのですが。。。。
牡蠣の養殖業について思うこと
地の利の活かす
日本は資源がないといわれていますが、海がたくさんあり自然が豊かです。
工業やソフトウェアは日本にとって、あまり有利な条件でないような気がします。
せっかく、豊かな海があるのに、もっと、上手に使えないのかな?
なんて、思っていました。
IT技術の発達によって、簡単に高機能のセンサーが手に入る便利な世の中になっています。
温度、天気、水質データの採取・データの解析、ソフトを使った自動化など、IT技術を牡蠣の養殖で使うと、いろいろと面白ことができたりしないかと思ったりします。
お金のある人からお金をもらう
世界はお金持ちと貧乏人に2極化していて、ますます、2極化は激しくなると言われています。
それなら、お金持ちからお金をもらえばいいんではないか?と思います。
お金持ちも人である以上、お腹が減ります。
そんな世界のお金持ちが食べたいと思うような、最高の牡蠣を提供できれば、みんなが幸せになれるのでは?
そんなに単純ではないのかもしれませんが、そんな、ことを思ったりしています。
最後に
お世話になった造船所、本当にありがとうございました。
勝手に来て、勝手に去っていく、自分をあたたかく見送ってくれました。
昨日で最終日だったのですが、本当に、職場の皆さんの優しさに泣けそうでした。
以前読んだ、「ザ、町工場」のような、職人の天国のような職場になってほしいなと、心から願っています。
明日から、ファームスズキさんでの新しい生活が始まります。
心機一転、がんばります。
大崎上島での、生活は激流続きな感じです。
大変ですが、生きている感じがしますね。