振り返れば、ダメ上司が僕を育ててくれた
来年からリモートワーク で働くことになった、トラベロコ。
世界にいる海外在住日本人(ロコ)は、自分でその国、都市を選び、時間を使い、誰かと過ごし、やりたい事をやっています。
実は、私たちは「場所」「時間」「誰と一緒に居て」「何をやるか」は自由なのです。トラベロコ自身も、そんなロコのような自由な生き方を求めて、「場所」「時間」にとらわれない働き方をしたいと考えています。
実際に、インターンで体験しましたが、本当に自由。
ふわっとした指示を、与えられて、
働く時間は、いつでもいいです。
どこまでやるかも、できるところまでやってください。
自由は結構難しい
自由て、何してもいいんだ!
と、思うかもしれませんが、実際は結構難しい。
働く時間をいつでもいいと言われると、いつ働くか自分で決めて、自分でコントロールしないといけない。
どこまでやるかも自由と言われると、仕事を自分で分解して、プロセス管理を自分でしないといけない。
これだけの時間で、これだけの量をこなしたら採用してあげますよ、と言われたら、目標がはっきりしているので取り組みやすいが自由度は低い。
どれだけ働いても自由、どれだけやっても自由、その結果、お互いのフィーリングが合えば一緒に働いていきましょうと言われれば、どれだけやるは自分で決めるしかない。自分の決めた目標で成果を出して、それが相手の求めるレベルのものだったら一緒にやっていきましょうとなる。
それは、お互いイーブンであることだとも言える。
インターン時に実力以上に働いて自分を大きく見せることはできる。でも、
そのペースで報酬をもらうと、今後、そのオーバーペースを維持することをコミットすることになる。成長戦略としては悪くないかもしれないし、シンドイかもしれない。
自分の無理のないペースで働いて、それでもOKなら働こうと考えることもできる。その場合、採用されないリスクもある。
今の状況、自分の傾向を考えて、どんな戦略をとるかも自由。
休みを決めるのも自由
先日、社内のSNSのやり取りを見ていて驚いた。
12日28日〜1月3日まで、一応休みになっている。
でも、どこからどこまで休みにするかは、担当者の自由。
自分の業務を管理して、各自休みを取ってくださいということらしい。
振り返れば、ダメ上司が僕を育ててくれた
僕の最初の上司は、スージーと呼ばれていた。
なぜなら、「スジ」しか言わない人だったから。
後、ドクタースランプアラレちゃんのスッパマンに似ていたから。
何かを聞くと、
「スジから言うこと、こうだけど。ごにょごにょ」
で?
YESか、Noか?
やって欲しいのか?、やって欲しくないのか?
やっていいのか?、やったらダメなのか?
問い詰めると、やはり、
「スジから言うこと、ごにょごにょ」
多分、筋を通すのスジなのだと思うが、よく分からない。
残念ながら、ダメ上司と言われても仕方ないと思う。
僕が辞める頃には、法律関係の部署について活躍しておられた。
「それは、この法律から言うと、こうこうこう」
と、自信を持っていっておられた。
人には向き不向きがある。
話を戻すと、スージーの元で、新人の頃の僕は勝手にやっていた。
なぜなら、「スジ」しか言わないから。
3年目くらいの頃には、社内の押しの強すぎるリーダーが率いるプロジェクに参加してしまい、アメリカにあるメーカーと共同開発している製品のソフト担当になって、アメリカのホテルで1ヶ月お一人様デスマーチをしたこともある。
ソフト技術も未熟で、プロジェクト管理も知らなくて、プロジェクトがぐちゃぐちゃになって当然と言えば当然、ちゃんとした上司なら待ったをかけただろう。
結局、もうどうにもならない状況になって、アメリカから帰国させられ、そのソフトも先輩エンジニアに引き取ってもらって、恥も外聞も捨ててプロジェクトから逃げ出したような結末になった。
アメリカの思い出は、悪い思い出だけではなくて、一緒にプロジェクトに巻き込まれていた同期(彼の場合は自ら飛び込んだとも言う)と、共同開発先のエンジニアの家に遊びに行って本物の拳銃打たせてもらったり、ラスベガス・グランドキャニオンを一緒に巡ったり、楽しい思い出だったりもする。同期の間で、彼が4人いたら世界が滅びるんじゃないか、と言われていたパワフルな彼は今頃何しているんだろうか。
基本的に、仕事の管理ができていないので、要求は直接エンジニアに来る。
社内の色々な部署の人が、それぞれの理由でソフトを作ってくれと言ってきて、それぞれが超急いでと言う。
最初は、誰かに頼られるの嬉しくて、仕事を引き受けていたら、どんどん、雪だるま式に仕事が増えてきて、それぞれが最優先で!と言う。
上司の知らない間に仕事がどんどん積もっていって、勝手にパンクして。
当然、上司としては自分を完全スルーして仕事している訳だから面白い訳がない。
でも、こっちからすれば、あなたは「スジ」しか言わないじゃなか!って感じだった。
社内のとても汚いコードが気になって、これは何とかしないといけないと、誰にも頼まれていないのに一人ひたすら格闘して、果敢にリファクタリングに取り組んで、大きなバグを出して、会社の偉い人達に怒られて。。。
サラリーマンとしては、ゼロ点だった思う。
上司も悪かったが、自分も相当にダメ部下だったと、振り返ってみもそう思う。
人の話も聞かず思い込んで、勝手にやってぐちゃぐちゃにして、投げ出して。
そんなことを何度か繰り返して、自由にすることと勝手にすることの違い、プロジェクト管理の方法、人とコミュニケーションすることを学んでいったように思う。
そんなダメ社員を雇える余裕のある会社だったんだなぁと、改めて思う。
でも、そんな経験が今確実に役に立っている。
良い上司に出会えれば成長できる気がするけど、結果的に、ダメ上司に育ててもらえることもある。
今の自由すぎる職場に無理なく馴染めるのは、スージーのおかげとも言えないこともない。
何が良くて、何が悪かなんて、終わってみないと分からない。