道草道

大崎上島での移住の記録(2016年4月~):子育て・古民家改造・裏山開拓・造船所・たまにプログラミング

「学校ってなんだ! 」を読んだ

 学校ってなんだ! 日本の教育はなぜ息苦しいのか (講談社現代新書)を読んだ。

 

教育とか学校って、いろんな人が物申したがる分野なので、あまり好きではないのですが、鴻上さんの本なのでなんとなく面白そうな気がして、読んだのですが、面白かった。

 

「従順な子」をつくる教育は、もう終わりにしよう!

ブラック校則、いじめ、心の教育、不登校、教師の長時間労働――。
日本の教育が抱える最大の問題とは?

『学校の「当たり前」をやめた。』著者と、日本の同調圧力を追及してきた演出家による必読の学校論!

・教師への信頼を失わせるブラック校則
・「服装・頭髪の乱れは心の乱れ」という迷信
不登校からのリハビリ
・いじめの件数に意味はない
・「朝の挨拶運動」はただの時間外労働
・「国や社会を変えられると思う」は18.3%
・「わかる授業」が良い授業なのか
・30人を超えると集団の質が変わる
スマホのルールは子どもたちが決める
・ぶつかり合うのは当たり前
・スーパー教員がもたらした学級崩壊
・「絆」と「団結」が目標になってしまう
・対話が苦手な日本人
・感情をコントロールする技術
・日本にユニコーン企業が少ない理由


ブラック校則に直面する生徒、子の不登校に悩む親、長時間労働に疲れる教員……すべての人に贈る、常識を疑うヒント。 

 

 学校って、何のために行くんだろう?

って、最近、特に子供が大きくなってきて、よく考えます。

 

自分が子供の時は、特に疑問も持たず、みんなが行っているし、それ以外の選択肢を知らなかったのもあって、行くもんだと思っていたのですが、自分の子供が行くことになるといろいろ考えてしまうんですよね。

 

今の時代、学問を学ぶだけなら、別に学校じゃなくなても、インターネットでも本でも情報を得る手段はいろいろあって、昔と違って、よい大学に行っても何も保証されていないし、じゃあ、一体、何のために学校行くのだろう?って、小学校は基本的な勉強なのでいいとして、中高大って、何のために行くのだろう?時間を無駄にしないで、さっさと社会に出たほうがいいじゃないか?とか思ったりもします。

この本読んで、今まで感じていた色々なモヤモヤが晴れた感じでした。

 

この本の中で挙げられている学校で育てる力として

  • 当事者意識
  • 感情をコントロールしながら、異なる他者と対話する力
  • 自律
  • タイムマネージメント

などが触れられていて、これらの能力は社会に出てもっとも重要だと思った能力でした。

 

学問は確かに大事、でも、それって、これらの基本能力があってこそ生きる能力であって、学問単体では、そんなに役に立たない。

それに対話などの力は、勉強と違って、一人では学ぶことのできない力で、多様な人が集まった学校という場は、絶好のトレーニングの場だなと思いました。

 

今、学校で抜け落ちている視点として書かれていた、タイムマネージメント。

 

一日が24時間しかないということを忘れている。一日二十四時間しかないなかに、子どもたちの自由時間をどれだけつくってあげられるかというのがやっぱり勝負です。

 

本当に、そう思う。

タイムマネージメントの視点は、基本的に会社でも抜け落ちている。 

 

互いの違いを理解しながらも、全員がOKなものを見つけ出すための「対話」。このプロセスをすべての子どもたちに学ばせることができれば、社会は確実に変えられます。

  

学校の大切な役割

 

「すべての子どもたちが社会でよりよく生きているけるような力を身につけていく場」であることですが、これから、もう一つ、次のような場でなければなりません。

「すべての子どもたちが持続可能な社会を築いていくための方法を共に学び合う場」です。

 

学校が、そんな場であったらいいなと思ったし、根本的に今の会社の働き方の問題も根っこは同じで、「会社ってなんだ! 日本の会社はなぜ息苦しいのか」ということにも通じる本でした。

 

タイトルが「学校ってなんだ!」なので、普通のサラリーマンとかは読まないかもしれないけど、普通の会社員にもおすすめな本でした。